卒研発表会が行われました!

当研究室からは髙橋君と林君が発表しました.

「金沢大学衛星「こよう」の電源解析」高橋友朗

概要:金沢大学衛星こようは,太陽電池アレイパネル(SAP),リチウムイオン2次電池(BAT)を電源とし,搭載機器に電力を供給する.電力制御ユニット(PCU)はSAPとBATの状態に基づいて適切に電力をコントロールする.こようは軌道1周回のうちに日照と日陰を繰り返す.日陰時はSAPによる発電ができないため,BATが電力を供給する.日照時はSAPの発電により搭載機器に電力を供給しつつ,同時にBATの充電も行う.こようが安定的にミッションを継続するためには,電力の収支が成立しなければならない.本研究では,BATの残容量-電圧のモデルとBAT電圧に基づいたPCU挙動を組み込んだ数値シミュレータを構築し,BATの充放電状態を検証した.BATの特性や消費電力には実験によって得た値を適用した.その結果,衛星の定常運用時にBATは過充電,過放電にならず,安全な範囲で使用できることを確認した.

「可変速 Control Moment Gyro の研究」林拓希

概要:Control Moment Gyroは,角運動量交換型アクチュエータの一種である.高速回転するホイールの回転軸の向きを変化させるときに発生するジャイロトルクを姿勢制御に用いるため,高応答,大トルクを発生することができる.一方,ホイールの高速回転は大きな抵抗トルクを生じるため,トルクを発生しない待機時においても消費電力が大きくなる.特に電力リソースが小さい小型衛星にCMGを搭載する際,潜在的なハードルになり得る.姿勢を3軸制御する超小型衛星の中には,待機時にリアクションホイールを停止し,消費電力を低減するものがある.CMGでこのような運用をする場合,ホイールの加速中にも姿勢を制御できると制御にかかる時間を短縮できると期待される.本研究ではその端緒として,可変速CMGに関する先行研究で提案された制御則でホイール初期回転数をほぼ0の状態から加速中に姿勢を変更するシミュレーションを行い,宇宙機の姿勢のふるまいと課題を検討した.

Follow me!