宇宙機動力学研究室は,宇宙機にかかるさまざまな課題に,宇宙機の姿勢や力学の側面から取り組みます.その取り組みのため,ソフトウェアによる数値シミュレーションの構築や電子機器の開発,開発したシミュレーションや機器の性能評価,そして宇宙機による実験に取り組みます.

キーワード

宇宙機(Spacecraft), 成層圏気球(Stratospheric balloons), 姿勢動力学(Attitude dynamics), 姿勢推定(Attitude estimation), 姿勢制御(Attitude control), メカトロニクス(Mechatronics), 設計製造(Manufacturing), 実験(Experiments), 数値解析(Numerical simulation)

宇宙機の姿勢制御

宇宙機がミッションを遂行するために,宇宙機を目的の方向に向ける制御が必要になることがあります.この操作を「姿勢制御」といいます.宇宙機の目的が天体を観測することなら,観測装置を目標天体に向けなければなりません.宇宙機の限られた面にのみ太陽電池パネルがあるなら,太陽電池パネルを太陽に向けないといずれバッテリ残量が0になります.より高度なミッション,より高い性能を宇宙機に持たせるためには,姿勢制御の技術が必須です.

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宇宙機の姿勢推定

宇宙機が目的の方向に向くためには,その前段階として,今宇宙機がどの方向に向いているかを知らなければなりません.しかし,宇宙機は地上からはるか遠くにあるため,直接観測して向いている方向を特定することはできません.宇宙機にセンサを搭載し,得られた情報を統合して,最も正しそうな姿勢を計算で導き出すことを「姿勢推定」といいます.

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成層圏気球の姿勢運動の研究

成層圏は,高度約 10 ~ 50 kmの層のことをいいます.気圧は地上の1/3(300 hPa,10 km)~ 1/1000 (1 hPa,47km),気温は最も寒いところで-80℃にもなる,極限環境です.空気が薄いため燃料を燃やすことが難しく,飛行機では到達できても高度18 kmがせいぜいです.一方,人工衛星にとっては空気が濃すぎて抵抗が大きく,速度が落ちてしまい軌道を維持することができません.飛行機でも人工衛星でも行くことが困難な領域に,長時間滞空することができるのが成層圏気球です.

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宇宙機システムの設計解析

人工衛星,成層圏気球ゴンドラともに,姿勢制御システムやミッション機器だけでは,動作させることができません.1機の宇宙機はいくつものサブシステムで構成され,それぞれの機械,電子機器,ソフトウェアのすべてがそろって初めて全体が機能します.我々が参加するプロジェクトで必要であれば,宇宙機の姿勢推定や制御に直接関係しないサブシステムの開発や設計,機能のシミュレーションや評価を行います.

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