大気球シンポジウムで発表しました
2024年度 大気球シンポジウムで,莊司准教授が研究発表を行いました.
"分散配置GPS姿勢ロガーを用いたラダー形荷姿の機械特性計測",莊司泰弘,飯嶋一征, 大気球シンポジウム2024年度, isas24-sbs-022, 2024年10月21-22日, 相模原市
概要:本発表では,2025年度国内大気球実験にピギーバック(※1)として申請した「ピギーバック分散配置9軸姿勢ロガー群によるラダー形荷姿の機械特性計測」について,これまでの実験実施状況を踏まえて計画を説明する.本実験では,特にラダー荷姿(※2)の機械特性(※3)を明らかにすることを目的とする.ラダー荷姿は天体観測などゴンドラの姿勢(指向)制御を必要とするミッションに適用される荷姿形状であり,姿勢制御系の設計に対して本研究で従来得られた知見以上に有用な参考情報を提供できる可能性がある.
※1 大気球は1機につき1実験が基本でメイン実験と呼び,実験装置を載せるゴンドラ部の他,気球のサイズ,荷姿の長さなどはメイン実験に合わせてカスタムメイドされます.ピギーバック実験はそこに相乗りする形で行われる小規模な実験です.1機のメイン実験に複数のピギーバック実験が相乗りすることもあります.
※2 大気球のヘリウムガスを詰める気球部と実験装置を載せるゴンドラ部をつなぐ,パラシュートと吊り紐で構成される部分を「荷姿」と呼びます.JAXAが用いる気球の荷姿には,吊り紐を1本のケブラーロープで構成する「1本吊り」と,2本のケブラーロープとロープ間を多数の金属棒で梯子状につないだ「ラダー」があります.
※3 ゴンドラに影響の大きい荷姿の機械特性として,ねじれバネ弾性率とねじれ振動減衰率があります.前者は静的な特性で(大規模な装置の用意があれば)地上実験でも計測することができるのに対し,後者は動的な特性で実際にフライト環境で計測するほかに手段がありません.