令和7年度卒研発表会が行われました!

令和7年度卒業研究発表会が2026年2月16日に行われ,当研究室からは鍛冶君,原松君,宮尾君が発表しました.

「金沢大学衛星 IMPACT の2次電池保護方法の検討」鍛冶大稀

概要:金沢大学衛星2号機IMPACTには,電源としてリチウムイオン電池を搭載する.リチウムイオン電池は,体積当たりの電池容量が大きい.IMPACTは12U CubeSatとして設計されており機器を搭載できる体積が限られていることから,リチウムイオン電池は望ましい電源である.しかしリチウムイオン電池は,過充電,過放電,過電流により容易にその性能を劣化させる.そのため,電池が規定された動作範囲内で動作するように,電子回路で保護しなければならない.また,直列接続するセル間の容量のばらつきによって,セル単位で過充電,過放電が起こりうる.これを防ぐため,セル同士の電圧を均等にするセルバランシングも必要である.
 本研究では,4並列4直列で構成されるIMPACT搭載リチウムイオン電池ユニットの電池保護回路の設計開発と,評価試験を行った.開発した過充電,過放電,過電流保護回路は設計した通りの動作を行った.一方セルバランシング回路は動作が不十分であった.選定した部品の特性が設計要求に合っていなかったためであることが判明したので,今後部品を再選定して評価を行う.

「超小型人工衛星用リアクションホイール制御システムの開発」原松響

概要:金沢大学技術実証衛星KSAT3-Xは,2UサイズのCubesatであり,3軸姿勢制御の能力を持たせることが予定されている.そのためにリアクションホイール(RW)を3台以上搭載しなければならない.本研究室では,Cubesat搭載用RWの開発を行っており,これまではブラシレスモータによるRW機構を開発した.ブラシレスモータは動作させるために電流制御が必要であり,これまでの開発では市販のモータドライバ評価基板を用いた.KSAT3-Xに搭載するためには,モータドライバ回路も小型のものを開発する必要がある.
 本研究では,まずKSAT3-Xの姿勢制御系(ADCS)の概念設計を行った.続いてブラシレスモータドライバ専用ICを選定して回路の設計開発を行い,市販のブラシレスモータを用いて動作試験を行った.試験によりモータドライバICが自動でシーケンスを進め,RWを回転させることを確認した.今後,研究室で開発したRWに組み込み,KSAT3-X用姿勢制御システムを構築する.

「気球望遠鏡の粗姿勢推定システムの検討」宮尾昂希

概要:気球望遠鏡FUJIN-2は,望遠鏡を目標天体に向けるための粗指向制御を行い,望遠鏡鏡筒内に設置された2軸可動鏡によって精制御を行う.粗指向制御は観測を行うために重要な制御段階である.粗指向制御はFUJIN-2ゴンドラに設置された磁場センサ,加速度センサの値を用いてゴンドラの姿勢を推定し,目標方向へ制御する.
 本研究では,センサで計測した磁場ベクトル,加速度ベクトルの値を元に,ゴンドラの姿勢を推定するアルゴリズムを,FUJIN-2搭載コンピュータ(OBC)に実装した.また,ダミーデータを用いて推定に要する時間を評価した.実装したアルゴリズムはq-methodとし,C言語で実装プログラムを開発した.OBCに移植した後,10万回のランダムデータによる評価(モンテカルロシミュレーション)を行い,計測センサに重畳するノイズが推定姿勢に与える影響を評価した.また推定に要する時間を測定し,まれにOBCの他のプロセスによると思われる遅延が発生することはあるものの,推定自体は1ミリ秒以下で行えていることがわかり,ゴンドラの粗指向制御に十分に供することができることがわかった.

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